社会福祉法人輝風会 風の子保育園 春風デイサービスセンター そよかぜ児童クラブ 給食室より

「春風デイサービスセンターからみえる子ども達」

   長谷川 京子

覗く子ども達  春風に勤務させていただき5年目を迎えることが出来ました。本題に入る前に少し自己紹介をさせていただきたいと思います。幸か不幸か私は多職歴人間でありまして、たくさんの方々と出会うことが出来ました。子ども達、知的・聴覚・身体障害者、要介護者の方々・・私にとってお金にかえられない心の財産だと思っています。その為私の子どもの見方捕え方は、その時々によって変化しています。保育士時代は子どもだけの世界を見つめ、調理員時代は食を通して子ども達と接し、今現在は介護員、高齢者と一緒に同じ目線で子どもを見つめています。
 最初に、春風利用者と子ども達の一コマを御紹介します。H様は、子どもが大好きです。春風にいられても子ども達と握手がしたいと訴えられています。帰り際、にんじん組のK君が傍に寄ってきました。頭をなでられ握手をされK君少し緊張気味、離れたいけど離れられないよーという感じ!とても微笑ましい光景でした。T様は寝たきりのリクライニング車椅子で帰宅です。帰り際、子ども達が傍に寄ってきました。私は内心T様を見て、子ども達がどうゆう反応を示すか不安もありました。ところが,代わる代わる頭を撫でているのです。子どもの姿に感動し一瞬でも自分のよぎった思いを反省しました。お祭り週間ではボランティアのお囃子、職員の踊り、子ども達は興味津々窓に入口に集まって来ました。みんな一帯になっていると私は心の中で最高と叫んでいました。
 家族から「春風さんから帰って来た日は、他のデイサービスを利用した日と違うのです。表情がとてもいい、子ども達がいるところは、違いますね」とおっしゃって下さいます。子どもがいる春風を利用希望される方がとても多くいらっしゃいます。嬉しい事ですね。

里奈とおばあちゃん 最初の頃は、お互いに緊張とビックリが交錯していたと思います。春風利用者は、閉じこもりの生活をされていた方が大半を占めます。利用が始まり、風の子の玄関を開ければ静から動へと別世界が飛び込んできます。子ども達の笑顔、子どもがいるだけで利用者の、表情は生き生きし、輝き始めるのです。しかし最初のころの子ども達は、自分のお爺ちゃん、お婆ちゃんとちょっと違うぞと感じたと思います。(まだまだ若い方がおおいですからね)初めてのトラブルが生じました。障害者のT様に子ども達の指差しが始まったのです。子どもは、反面怖いところがあり、大人のように理性が働かずそのまま目に入ったものをずばり直撃、又「どうして?」の質問攻めになってしまいます。T様は、それを気にし、少し春風をお休みしました。しかし、保育士、子ども達、春風スタッフと話し合いがもたれ、よい方向に進みT様は元気に又利用できました。子ども達にとって得るものは、とても大きかったと思います。今はお互いがいてあたりまえの生活になってきました。
 要介護高齢者、障害者など特別な人間として隔離的に処遇するのではなく普通の生活を送れる支援が大切と思います。まさしく風の子、春風、そよ風は、当たり前に子どもがいて高齢者がいて、みんなすべての人が幸せであり平等なノーマライゼーションの理念そのものではないでしょうか!人生の先輩である利用者に対して感謝の念を持ち、これからも接したいと思います。
 少子化、高齢化時代の突入と叫ばれている今、皆で手を取り合って生きていけたらいいですね。高齢者と子ども達の触れ合いを通して生きることの偉大さ命の尊さを改めて考えさせられました。風の子保育園と共に春風は、これからも質の高いサービスを目指して頑張りたいと思います。

  

「つくし」22号 2003.6.5発行より転載

社会福祉法人輝風会 風の子保育園 春風デイサービスセンター そよかぜ児童クラブ 給食室より